2021年1月25日月曜日

Dr.ニャンダの夢日記 第5話

第5話「死を呼ぶノート」


私は、今、とある古ぼけた店にいる。 


ここは、『何でも屋』。 

ありとあらゆる物を扱っていると豪語する店だ。 

薄暗い店内には、見た事も無いような物や、見るからに怪しい物、 

うさん臭い物などが、目白押しだ。 


実は、私は客では無い。 

今日も、私の発明品を売りに来たのだ。 


店主は、つるピカ禿頭に、長く立派な白い髭を蓄えた、まるで仙人の様な老人で、 

私は、店主と私の発明品の値段の交渉を行っていると、 

一人の男が入って来た。 


年は20代後半~30代前半位だろうか? 

身長は170cm程で、なかなかガッチリした体型だ。 

短髪の髪は、以前、茶髪に染めた跡が見られる。 

長方形の顔は、しかめっ面で、一直線の太い眉毛に、睨む様な小さな瞳、

大きなワシ鼻、 への字口、くるくるほっぺに覆面姿。 

否、くるくるほっぺに覆面姿は、違った。 


男は、真っ直ぐこちらにやって来た。 


「ここは、何でも売ってるんだってな! 

 巷で噂の『死を呼ぶノート』ってのは、あるかい!?」 

男は、流石に無いだろうと、やや挑発的な態度で、大声を張り上げた。 


「あるよ。」 

店主は、素っ気無く返事した。 


男は、暫く鳩が豆鉄砲、喰らった顔をしていたが、 

気を取り直すかの様に、咳払いして、こう言った。 


「本当かッ!いくらだ?」 

「そうよのう、42万円だな。」 

「高いな。」 

「じゃ、売らん。」 

「分かった!42万で買うよ!売ってくれ!」 

店主は、そっと手の平を差し出した。 


「待ってろ!直ぐ用意して来る!」 

男は、言い終わらぬ内に店を飛び出して行った。 


「死を呼ぶノートだって? 

 私はそんなの作って無いぞ? 

 そんな物、どうしたの?」 

「ふぉっふぉっ、ヒミツじゃ。」 

「秘密で良いから、こいつをもう少し高く買ってくれよ。」 

「しょうがないのぅ… 

 これでどうじゃ?」 

「もう一声。」 


そうこうしていると、男が嬉々として戻って来た。 

またも、私と店主の話に割って入る。 

「金だ!ノートを!」 

「これじゃ。 

 使い方は、殺したい相手の顔を思い浮かべながら、 

 そいつの名前をノートに書くんじゃ。 

 そうすれば、数時間以内に、最も自然な形で、そいつが死ぬ。」 

「分かった!ありがとよ!」 


私は、店主に手の平を差し出した。 

「やれやれ。」 

そう言うと、店主は、発明品の代金をくれた。 

良し、良い値で売れた。 


その晩、テレビのニュースを見ていたら、見覚えのある顔が、テレビに映った。 

「あッ!あの時の男だ!」 

どうやら、殺人を犯して捕まったらしい。 


死を呼ぶノート、 

殺したい相手の名前を書くと、 

最も自然な形で、そいつが死ぬ… 


そう、最も自然な形で… 



人を呪わば、穴二つ。

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