第4話「タイムマシンのジレンマ EPISODE 3」
ある日の朝の事。
私は、ラボの窓から外をそっと覗き込んだ。
そこには、雲一つ無い青空が広がっている。
日本晴れであった。
気分が良いので、
いつもの喫茶店で、コーヒーを飲みながら考え事でもしようと思い支度を始めた。
今日のテーマは、『どうしたら、駐車違反を免れるか』だ。
支度をしていると、部屋の片隅に、大型冷蔵庫程の見慣れぬ機械が、置いてあった。
「にゃんだコレ?」
こんな物を作った覚えは無い。昨日は無かった。
良く見ると、中央に郵便受けの様な部分があり、
蓋の部分はクリアブラックで、中に手紙の様な物が入っているのが見えた。
私は、恐る恐る、その手紙を手にした。
「『どうしたら、駐車違反を免れるか』だと?
透明装置なら、止めて置け、ろくな事に為らない。
それより、今から、ロットー式宝くじを買いに行け!
○月×日抽選の奴だ。
当選番号は、×、×、×、×、×、×だ。
一週間後、当たりを確認したら、
このタイムマシンで、今日この日の私に、この手紙を送るべし。
By 未来の私」
………
暫く、考えると、おもむろに、自称・未来の私の言う、
このタイムマシンを調べ始めた。
「!!」
私は、自称・未来の私が、本当に未来の私だと、確信した。
私は、手紙の通り、行動した。
一週間後、ロットー式宝くじが、見事、当選し、大金が手に入った。
私は、未来の私の指示通りに、タイムマシンにあの手紙を戻し、
あの日の私の元へと送った。
すると、過去に旅立ち、跡形も無く消え去ったはずのタイムマシンが、再び、現れた。
中の手紙を、取り出してみて、未来の私の意図を理解した。
これは、更に未来の私から、未来の私となった私に送られたタイムマシンと
未来の情報だったのだ!
それから、私は、毎週、タイムマシンを過去に送っては、
未来から送られて来るタイムマシンの中の手紙の指示に従う事を繰り返した。
私は、アッという間に大金持ちになり、贅の限りを尽くした。
しかし、その絶頂の日々は、長くは続かなかった……
私のウワサを聞きつけた悪党共に、私は命を狙われ出したのだ!
私は、自宅にありとあらゆるセキュリティを施し、
シークレット・サービスを何人も雇い、外敵に対抗した。
私は、命を狙われる恐怖に怯えながらも、未来の私の指示に従い続ける…
私には、それしか、生きる手段が無いのだから…
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